腸内細菌学雑誌
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新生仔馬の腸内フローラ
境谷 有希子結城 功勝中島 文彦中西 信吾田中 秀俊田中 隆一郎諸富 正己
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1999 年 13 巻 1 号 p. 9-14

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抄録

軽種馬の腸内フローラ構成とその成立過程を調べるため, 北海道の4牧場で出生した仔馬27頭について, 出生直後の胎便と, 生後3, 7, 14, 30および60日目の糞便を採取し, フローラ構成および短鎖脂肪酸組成を分析した.また同時に下痢の原因病原体であるロタウィルスおよびサルモネラ感染の有無を調べた.胎便は無菌であることが確認できた.生後3日目では全ての検体から糞便湿重量1g当たりの対数値で平均109.4の菌が検出された.また生後3日目ですでにバクテロイデス, 大腸菌群, 腸球菌, およびレシチナーゼ陽性クロストリジウムは全ての検体から検出され, 乳酸桿菌, ブドウ球菌, バチルスの検出率はそれぞれ81, 50および62%であった.日齢に伴う各菌群の検出率と菌数の推移は菌群ごとに異なった.大腸菌群およびクロストリジウムにっいては菌種の同定を行った.大腸菌群のほとんどはEscherichia coliと同定されたが, 27個体106検体から分離同定された103株のE.coliすべてはO 157抗血清とは反応しなかった.馬の下痢症と関連が示唆されているα 毒素産生Clostridium perfringensは, 3日目, 7日目では全例から高いオーダーで検出されたが, 60日目にはすべての検体から検出されなくなったことより, 馬では出生直後の一過性の定着菌であることがわかった.また今回の実験期間中には, ロタウィルスおよびサルモネラは検出されなかった.

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© 財団法人 日本ビフィズス菌センター
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