抄録
遺伝子操作によって改良した乳酸菌などの微生物を将来食品分野で応用する場合, 安全性の確保が最も重要である.そのためには, 食品としてふさわしい遺伝学的材料のみを用いること, また育種された微生物が遺伝的に安定でかっ安全であることなどが求められる.これらの課題を達成するために, 筆者らはヨーグルト製造に用いられる2種の乳酸菌 (ブルガリア菌とサーモフィルス菌) で, 安全な遺伝子組み換え体を作成するための基本的な技術を検討した.すなわち, 二重交叉によって目的遺伝子のみを染色体に組み込む技術を確立することと, 安全な遺伝子材料のみを用いて宿主ベクター系を構築することである.これまでの検討で一応の成果が得られ, 安全性確保に向けて今後の基礎を築くことができた.