生産効率を陽に考慮した新しい職場配置問題の枠組みを提案する.従来の古典的な職場配置問題の枠組みでは, 職場配置は物流コストのみで評価されており, それら職場配置が生産効率に及ぼす影響については考慮されていない.しかしながら, 現実のシステムでは, 職場配置はスループットやリードタイム等の生産効率に影響を及ほす.従って, システムに含まれるばらつきを吸収し, 最大の生産効率を達成するような「最良の」職場配置が存在する.我々の問題は, 生産効率を最大にする職場配置を求めることであり, このような職場配置問題をここでは「確率的職場配置問題」と呼ぶ.本論文では, 最大スループットを達成するための最適な職場配置と在庫スペース容量配分の組み合わせを求めるような確率的職場配置問題の例を示し, 従来の職場配置問題と比較しながら確率的職場配置問題の得失を論ずる.