日本経営工学会論文誌
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歩数による歩行動作時間の推定に関する研究
井戸 正敏加藤 貞夫
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2003 年 53 巻 6 号 p. 474-482

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抄録
近年, 生産性追求のもとで新たな生産システムとしてセル生産方式が, 組み立て生産に導入されてきている.セル生産方式では, 作業者がワークステーションからワークステーションあるいはワークステーションから材料供給棚へ部品を取りに行く作業が発生し, 歩行動作を伴う作業が多く行われている.本論文は, 10歩歩行, 3歩歩行, 2歩歩行の実験を通して, 作業者ごとの歩幅による歩行動作時間の推定法について述べた.歩行は, 両足を揃えた状態で歩行動作を開始し, 両足を揃えた状態で終了するように被験者に指示した.したがって, 1歩分の距離の移動は足の2動作となり2歩歩行動作と定義した.これらの実験から, 次のような歩行動作時間の特性を明らかにした.10歩歩行では, 歩行動作の開始時と終了時において歩幅とその時間は変動するが, 中間時の歩行では歩幅とその時間は一定の定常歩行であった.身長の高い被験者は, 低い被験者よりも歩幅は大きくその時間も大きくなり, 歩幅とその時間に個人差が見られた.また, 歩幅は被験者の身長と相関が高い.これらの特性に基づき, 歩行動作時間は歩数と被験者の身長とを変数とする式により推定できることを示した.また, 定常歩行を伴わない3歩の歩行動作時間は, 作業者の身長を変数として, 2歩の歩行動作は, 作業者の身長と1歩目の歩幅の大きさの割合を変数として推定可能であることを示した.
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© 2003 公益社団法人 日本経営工学会
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