日本経営工学会論文誌
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言語データを用いた品質機能展開による顧客と企業間の合意品質値の導出
太田 宏古賀 睦昌
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2006 年 57 巻 3 号 p. 206-213

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抄録

多様に変化する市場のニーズをいち早く把握し,これを短期間で製品開発へと落とし込むために,マーケティングと製品開発を統合する手法である品質機能展開(QFD:Quality Function Deploment)が注目されている.本論文では,このQFDに,顧客と設計者の主観や曖昧さを考慮するために,曖昧さを数量化することのできるファジィ理論を用いて,製品設計における顧客と企業間の合意品質値の導出方策を提案する.提案法では,QFDに各品質特性に対する満足度の要求レベルを言語データを用いて表すことで,顧客による要求品質値を導出する.さらに,企業の意向を同時に考慮するため企業満足度に基づいた品質値も導出し,顧客満足度による品質値と加重和をとることで顧客と企業両者にとっての合意品質値の導出方策を提案する.また数値実験において,洗濯機の仮想データをもとに合意品質値の導出過程を例示する.

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© 2006 公益社団法人 日本経営工学会
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