2007 年 58 巻 2 号 p. 136-146
本研究では,作業者の手作業による部品組み立て作業に対して,作業困難さを考慮する部品組み立て順序の決定問題を取り扱う.既報の実験結果では,実際の作業時間はMODAPTS法によって算出される標準作業時間に比べて大きくそれらの時間差は部品組み立て作業における作業時間は作業者の作業姿勢,作業者の部品や中間構造物の支持方法によって影響することを示した.この結果を踏まえて,組み立て作業の過程における作業困難さを評価し,ニューラルネットワークによって標準作業時間の補正を組み込んだ,遺伝的アルゴリズムによる部品組み立て作業順序決定方法を提案する.本論文では,はじめに部品組み立て作業に対する一般的動作の特徴の分類,および動作と作業の構造化を議論する.その後に,提案法の特徴を示し,具体的な構造物の組み立て作業に対する順序決定問題への適用例を示す。