日本経営工学会論文誌
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作業配分と作業者配置を一括して解く組立ライン工程編成法の提案
翁 嘉華伴野 仁治大久保 寛基大成 尚
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2007 年 58 巻 5 号 p. 383-394

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抄録

組立ラインの工程編成では,作業のワークステーション(以下はWSと記す)への配分と,作業者のWSへの配置を行う.この二つの問題を分割して順次に対処する従来方法では,作業ごとに必要な作業時間が作業者間で大きく異なる場合には効率の悪い工程編成結果となる.そこで本研究はこの二つの問題を一括して扱える解法として,遺伝的アルゴリズム(GA)を用いた解法を提案する.対象問題が大規模で複雑であるため,いかにして効率よく準最適解を出すかが重要である.そこで本提案は,効率良く解を探索するために,負荷過大・過少のWSに着目した解(個体)の交叉方法を提案する.また,解が早期に収束し性能の悪い局所解に陥ることを防ぐために以下二つのロジックを提案する.一つは交叉対象となる親個体ペアを選定する際に類似親ペアの排除ロジックで,もう一つは交叉によって子個体に発生した致死遺伝子を再生させるロジックである.最後に上記ロジックなしの基本形GA法や分割法との比較等の検討により提案一括法が短サイクルタイムを得られることを検証する.

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© 2007 公益社団法人 日本経営工学会
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