日本経営工学会論文誌
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原著論文(事例研究)
機能と環境情報の同時評価を考慮するモジュール設計
—ボール式マウスのモジュール設計事例—
小川 寛永荒川 雅裕
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2013 年 64 巻 2 号 p. 205-218

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抄録
通常のモジュール設計では製品の機能や構造に着目して行われるが,環境の視点からモジュール化を行うことでモジュール単位での材料や部品の再利用や再資源化が可能となる.しかしながら,機能に着目してモジュール化した部品構成やモジュールは環境に着目してモジュール化した部品構成やモジュールとは一般に差異が生じるため,両情報の特性を同時に含めたモジュールを作成することは困難である.本研究では機能情報と環境情報によるモジュール化の特徴を組み合わせることで機能·環境情報を同時評価するモジュール設計法を提案する.ここで,機能情報に関するモジュール化に対して,機能と部品の関連情報を示すFDSM(Functions and Design Structure Matrix)を導入し,遺伝的アルゴリズムを利用した方法を適用する.また,環境情報に関するモジュール化に対して,環境負荷と部品の関連情報に自己組織化マップ(SOM: Self-Organizing Map)を適用する.両情報から生成されたモジュールの特徴を比較するとともに,製品の部品構成表(BOM: Bill of Materials)から部品の独自性と部品間の接続を評価して機能·環境情報の両特徴を組み入れた設計法を提案する.本論文ではモジュール設計法の特徴を示し,具体的にボール式マウスを対象として提案法によるモジュール設計の事例を示す.
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© 2013 公益社団法人 日本経営工学会
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