2014 年 65 巻 3 号 p. 211-218
集団でのコミュニケーションや学習プロセスに寄与するツールとして,ゲーミング手法が注目を集めている.筆者らは,生活習慣(病)を題材にした対面型交渉ゲームの開発実践を進めてきた.当ゲームは,仕事と健康のジレンマ状況をめぐって,複数のプレイヤー同士が不健康行動への誘惑と交渉のコミュニケーションを展開する.本稿では,事例のレビューを通じて,他のコミュニケーション場やゲーミングとは異なる,当生活習慣病対策ゲームの特徴を明らかにする.その上で,インタラクションの構造が異なる2種類のゲームの設計と質問紙調査を通じ,ゲーミングにおけるインタラクションの型がどのように知の生成に影響するのかを明らかにする.