プロジェクトの適切なリスクマネジメントのためには,まず,プロジェクトの成否に影響を及ぼし得るリスク事象を,できる限り網羅的に列挙することが望まれる.本論文では,このリスク事象を列挙していくタスクを支援するための発散デルファイ法を提案する.この手法は,デルファイ法の各ラウンド終了後に,それまでに提起されたアイデアを集計し,それらを各参加者に空間的にフィードバックすることによって,発散的な発想を促進し,得られるアイデアの網羅性を向上させるものである.被験者実験の結果,リスク事象の発想数,網羅性,質などの点で,提案手法の有効性が確認された.