2016 年 67 巻 3 号 p. 216-224
本研究では人の手による触覚検査作業を対象として,検査精度に影響を与える要因に着目し,上肢負担と検査精度の関係を明らかにすることを目的とした.被験者は健常な成人10名とし,高さが異なる凸を有する検査対象面の触覚検査作業を実施した.評価項目は不良の見落とし率である第二種過誤率,および検査対象面に対して垂直にかけた力である操作力の2項目とした.実験の結果,手関節の負担が大きい検査条件においては操作力が小さくなり,それに伴い検査精度が低下することが明らかになった.さらに先行研究の結果を用いて,上肢負担と検査精度の両方を考慮した検査条件の導出を行った.結果として,検査者の右上肢の正面かつ胸部の高さで検査を行うことで上肢負担の軽減と検査精度の向上の両立が可能であることが明らかとなった.