2016 年 67 巻 3 号 p. 252-260
本研究では視覚情報処理を伴う作業を対象に,作業者による主作業を妨げずに有効視野範囲を評価する手法を提案することを目的とし,視認行動における眼球・頭部協調運動に着目した実験を実施した.実験では,作業者の有効視野範囲をコントロールした条件下において眼球運動,頭部運動の計測を行った.結果として,視対象に対する眼球・頭部協調運動は有効視野範囲の影響を受け,有効視野内の視対象に対する視認行動では眼球運動が先行し,有効視野外の視対象に対する視認行動では頭部運動が先行することを定量的に明らかにした.さらに視対象までの視角距離と眼球運動と頭部運動の生起時間差の関係から有効視野の狭窄を検出できる可能性を示唆した.