日本経営工学会論文誌
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原著論文(理論・技術)
滞留量に着目した並列型フローシステムへの流動数分析の応用方法
市来嵜 治片桐 健悟稲田 周平河野 宏和
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2017 年 68 巻 3 号 p. 191-200

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抄録

流動数グラフを用いた流動数分析は,システム内の物財の流れを可視化することで,そこでの問題を把握したり,改善の着想を検討したりするために有効な分析手法のひとつである.しかし,物財の流れが直列かつ一方向であることを前提にしているため,システムの処理プロセスが並列のサブシステムで構成され,それらのサブシステム間で物財が行き来するフローパターンでは,従来の流動数分析をそのまま活用することはできない.本研究では,主システムと副システムと呼ぶ2系統のサブシステムから構成される並列型システムを対象にした分析手法のひとつとして,各サブシステムでの滞留量に着目して物財のフローを可視化して問題点と改善の着想を検討する,並列型流動数グラフを提案する.また,提案した手法を現実の物流システムの事例に適用し,問題発見方法としての有効性を検証する.

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© 2017 公益社団法人 日本経営工学会
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