日本経営工学会論文誌
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原著論文(事例研究)
データ包絡分析法を用いたふるさと納税の戦略提案
―K市のふるさと納税への適用事例―
藤井 秀幸傅 靖小林 里佳子
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2021 年 71 巻 4 号 p. 149-172

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抄録

ふるさと納税は寄付者が日本全国の自治体へ寄付できる制度である.寄付者は,寄付に対して,寄付した自治体(寄付者が住んでいる自治体を除く)から地場産業の返礼品を得ることができ,所得税の還付と住民税の控除も受けられる.近年,地方政府の間にふるさと納税制度を利用した寄付を募る競争は段々と激しくなってくる.本稿では,日本全国の参入自治体,K市における協力業者と返礼品をそれぞれ分析対象とし,データ包絡分析法を用いて効率分析を行う.分析から導き出された効率値と改善値に基づき,K市からの2つの質問への回答を示す:(1)ふるさと納税におけるK市の強みとは何か?(2)競争力を高めるために返礼品のラインアップはどのような見直しが必要なのか?K市のふるさと納税への戦略提案を行うため,まず他の自治体の効率値,入力値及び出力値と比較しK市の改善点と参照集合を暫定的に決定する.そしてK市の協力業者と返礼品の効率値に基づき,クロス分析を行い返礼品ラインアップの見直し提案を行う.

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© 2021 公益社団法人 日本経営工学会
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