2023 年 74 巻 3 号 p. 105-119
本研究の目的は,キャリア開発教育を評価するための能力尺度を開発し,大学のキャリア開発教育から雇用への接続効果と大学生が自己認識する能力を検討することである.就活経験を持つ大学4年生392人を対象にWeb調査を行い,キャリア開発教育をキャリア開発授業,キャリア開発授業以外の授業,正課外の教育諸活動に分類し検討を行った.その結果,キャリア開発授業の経験有層は雇用への接続効果が高く,特に偏差値50未満群で高かった.大学生が自己認識した能力は,正課外の教育諸活動の割合が相対的に高く,これはキャリア開発教育の限界を示したが,社会的意義と教育の可能性からキャリア開発授業を分析すると「礼儀,マナー」が特徴的に出現し,特に50未満群を中心に「礼儀,マナー」を授業で扱う意義を示した.