近年,太陽光発電の普及により,電力事情が変化している.時間によって電力市場価格や発電時の二酸化炭素排出量が大きく変化している.電気自動車の経路問題についての研究の多くは,電気自動車の走行距離に着目して配送経路を検討したものである.我々は,走行距離よりも充電コストと二酸化炭素排出量を最小化する電気自動車による配送問題を考える.提案する数理モデルを用いて適切な経路を示し,充電コスト,二酸化炭素排出量,走行距離のトレードオフを議論する.また,モデルの適用事例として,実在の地域を想定した数値実験を行い,利用する充電ステーションの特徴や電気自動車による充電コスト,二酸化炭素排出量の削減効果を示す.