日本経営工学会論文誌
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原著論文(事例研究)
ビジネスチャット上の社員間コミュニケーションを可視化する条件付ネットワーク構造分析モデル
川上 達也山下 遥三浦 豊史後藤 正幸
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2024 年 75 巻 2 号 p. 60-75

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抄録

各社員をノードとして社員間の関係をネットワーク構造で表現するネットワーク分析は,密に繋がりを持つコミュニティや影響のある社員の発見を可能とする.特に,最近活用がなされるようになったビジネスチャットに蓄積された会話データから,ネットワーク可視化が可能になれば,ビジネスのための職場チーム内のコミュニケーションの実態が明らかになり,様々な施策や意思決定に役立つと期待できる.この社員間のコミュニケーションを可視化したネットワークは,各ノードが表す社員を一意に定義できる反面,発言内容やトピック,所属グループなどのエッジの定義に用いる会話の条件(コミュニケーション条件)によってノード間の関係が変化する.そのため,コミュニケーション条件の違いに伴うネットワーク構造の変化や,全体的なコミュニケーション構造と大きく異なる構造を持つコミュニケーション条件を定量的に把握すると共に,ネットワーク同士の構造上の類似性や個々のネットワーク構造を解釈しやすい形で可視化することが有意義となってくる.そこで,本研究ではコミュニケーション条件の違いによる社員ネットワーク構造の変化を定量的に分析し可視化を行う,ビジネスチャットのためのネットワーク分析手法を提案する.その際,KK Algorithmのエネルギー関数をネットワーク間の乖離度指標として用いることで,全体的なコミュニケーション構造から乖離した,特徴的なネットワーク構造を持つコミュニケーション条件を発見することが可能となる.本研究では,実際の会話履歴データを用いた分析により,本手法を用いた社員間の関係性の分析が有効であることを示す.

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© 2024 公益社団法人 日本経営工学会
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