本研究の目的は,企業の非財務施策の一部であるAIG(AIガバナンス)とD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)およびFP(財務成果)との関係構造を定量的に可視化し,線形予測項と非線形評価項を統合した最適化モデルを構築することで,AIGとD&Iの実施水準がFP最適化に及ぼす影響を実証的に明らかにすることであった.日本企業47社を対象に,記述的分析,クラスタ分析,相関分析,回帰分析を通じて得られた結果を基にモデルを構築し,シナリオ分析を行ったところ,特定のFPに対しAIG強化は限定的,D&I強化は改善効果がみられ,施策抑制では悪化傾向となった.すなわち,AIGとD&Iの選択的実施がFPに影響を与えることが示された.