抄録
この研究では, 加工・組立工程における作業の性質の変動に対する作業者あるいはその作業集団の反応のしかたを, 属性アプローチによって分析している.この目的のために, 広島地区の三つの工場から任意に得られた24の職務の客観的指標として7属性22要素の測定によって求めた職務属性得点と作業者反応項目(知覚職務属性6項目と職務反応7項目)との対応関係を相関分析によって行なっている.その結果, 職務属性得点は仕事満足度と相関係数0.48で5%有意であり, またこの場合の相関図は興味ある事実を示している.さらにこの関係を若年層(16〜30歳)と高年層とにわけて分析することにより, 前者では0.601(1%有意)となって, 作業者の知覚のしかたが強い影響をもっていることがわかり, この点は全体を通じて認められている.結論として, 作業の性質の研究において属性アプローチは有効であることが指摘される。