抄録
企業経営における能率管理ないし生産性管理と社会経済的法則性との関係領域の一つを明らかにしようとした.すなわち, 労働力の生産性, 労働強度, 時間産出率等が, それ自身として直接的に問題となるのではなくて, 社会的に形成される標準的労働強度(社会的標準的労働強度)を媒介として社会的標準的労働生産性が客観的に規定されるものであること, したがって, 個々の労働力の生産性は, 社会的標準的労働強度以下の強度では時間産出率によって, それ以上の強度では, 直接的な労働生産性によって評価されるものであることを論証した.