抄録
人間-機械系において, 機械を主体とした考え方もたいせつであるが, 人間性の個人差もしだいに重視されるようになってきた.その考慮の段階は, 当然グループとして人間集団の平均値に対するものから始められ, やがて個々人のもつ技能についてまで考慮がおよんでいく.そこで, 組立て作業に従事する作業者のある技能程度を副次グループに分け, それぞれの, 作業能力との関係を調べた.技能程度は, 既存の労働省編職業適性検査のなかの8種類の器具検査を用い, 作業能力は, 押釦スイッチの組立て時間によって示した.その結果, 押釦スイッチの組立て能力は, 職適第2によって測られた技能との関係が強く, そのうちでも, 挿換え検査および組合せ検査の2種類を用いれば, かなりの成果があることがわかった.