日本経営工学会誌
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作業環境を考える(<小特集>公害・環境問題)
肝付 邦憲
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1975 年 26 巻 2 号 p. 123-128

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抄録
企業に関わるすべての人間にとって, 労働基準法・第1条(労働条件の原則)を知らなくても, 労働安全衛生法の第1条の目的にかなう行為の推進は, 法規に規定されるまでもなく人道上自主的に活動しなければならない内容となっていると解釈しうる.労働する場がそこにあれば 物理的あるいは化学的作業環境場健によって, 作業者が程度の差はあれ生理的にも心理的にもなんらかの影響をこうむっていることは事実である.作業環境の問題点が生産性向上と対立した形で理解されているとすれば, 企業にとっても社会にとっても人間性尊重という観点からして, まことに不幸な事態といわねばならぬ.この認識を改めてもらいたいと願う気持と, 作業者も"人間"なのだという根本原則の上に立って作業環境を見直していただきたいという気持が混じり合って本文の内容となった.作業環境条件の整備の重要性を作業者を中心にすえて論じている.意とするところをご理解願いたい.
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© 1975 公益社団法人 日本経営工学会
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