抄録
確率的ディスパッチング法は, スケジューリング問題で, ディスパッチングルールを確率的に用いて異なるスケジュールを作成し, 評価尺度を比較的満足する解を得る手法である.本報は確率的ディスパッチング法で, ディスパッチングルールにランダムさを与えるためのパラメータαを, 0<α≦1にとる新しい手法を提案して, その効果を検討し, また, この手法を使用する場合の4種類のディスパッチングルールを比較検討したものである.ここでは, 山積みされたジョブのスケジューリング問題に上述の手法を適用して研究を行なった結果, 新手法はスケジュールの比較的少ない作成数で, ランダムディスパッチング法, および確定的ディスパッチング法より評価尺度F_<max>値, F値をより満足するスケジュールが得られやすいこと, また評価尺度がF_<max>値の場合はディスパッチングルールMWKR, F値の場合はLWKRを用いるのが有効であることなどがわかった.