抄録
静的スケジューリング問題の近似解決法として確率的ディスパッチング法が提案され, シミュレーション法によりその効果が確かめられている〔4〕, 〔5〕.ところで, この手法を適用するための条件には, スケジューリングを行なう時点で, 各ジョブの到着時刻, 工程順序, 各工程での加工時間などが判明している必要がある. 従来提案されていた動的スケジューリング・モデルは, ジョブの到着時刻を確率分布で与えていたために, この手法を適用することができなかった.しかし現実には, スケジューリングを行なう時点以前に, 各ジョブの到着時刻などの情報は, 中日程計画, 生産計画などにもとづいて, 個々に判明している場合が多い.本研究では動的スケジューリング問題のモデルを新しく提案し, このモデルに確率的ディスパッチング法を適用してその効果が確かめられている.また, この手法を適用する際の諸問題についての検討がなされている.