抄録
生産システムの経済性を評価するにあたっては, システムの特性を十分考慮した適切な評価手順が必要とされるが, 本研究は, 機械加工部門と組立加工部門とから構成される多品種生産システムの経済性を, 損益分岐点分析を利用して解析する.費用を固定費, 変動費, 複変動費に分解し, 資源制約下で複変動費を最小化する操業計画決定モデルを定式化するとともに, 計画期間中の各品目の生産量の代替案に対する所要工数と収益, 費用, 利益の関係を明らかにし, 目標利益達成のための生産費を求める経済性評価手順を与える.また, 数値例により, 評価手順の具体的適用例を示す.