抄録
本論文の目的は2段階合流型の生産・在庫システムに適用しうる四つの典型的な生産指示方式間の定量的な比較のための一つの方法を明らかにすることにある.提案する方法は, 経済性の側面から二つの評価基準のおのおのに重み付けを与え, 生産指示方式の相異に伴う経済性の相異を系統的かつ定量的に判定しようとするものである.本論文で取り扱う評価基準は受注から客先への出荷までの納入リードタイムと各段階で生ずる在庫量である.生産指示方式間の定量的な比較のための基準となるこれらの評価基準に対する生産指示方式の影響に関しての構造解析は既報のとおりである.本論文では, 環境条件に応じた数種の重み付けの値と需要および工程に関する数値条件に対して計算を実施し, 経済的と判定される生産指示方式は環境条件に応じて異なるということも示す.
