抄録
n段直列多段階在庫モデルの感度分析を行う.本モデルには, 注文量の分布やパック・オーダー率, 各種費用等の諸係数が含まれている.まず, 注文量の分布が正規分布のとき, この平均, 標準偏差の変化に対する適正在庫量, 期待利益の変化を調べる.次に在庫点別単位期待利益関数のグラフを用いて, 諸係数の変化に対する感度分析を行う.各係数が変化すると, 各在庫点の在庫保有の相対的優位性が変化し, 在庫保有の適否が変化する.そこで、在庫保有の適否を変化させる各係数の限界値をグラフにより求める.さらに、在庫保有能力制限がないものとして求めた在庫量が保有能力を超えた場合, いずれの在庫点の保有制限がもっとも利益に影響を与えているかを知り, 保有能力を増加すべき在庫点をグラフを用いて知る方法を示す.