日本経営工学会誌
Online ISSN : 2432-9983
Print ISSN : 0386-4812
2段並列型在庫モデルの在庫水準の決定に関する研究
増井 忠幸
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1983 年 34 巻 2 号 p. 119-125

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抄録
一つの倉庫とm個の営業所よりなる2段並列型在庫モデルを対象とする.注文はm個の営業所に対してなされ, 単位期間の注文量はある確率分布に従う.注文に対し, その在庫点に在庫があればただちに払い出されるが, 品切れとなると倉庫にバック・オーダーされる.このとき, 注文の一部はキャンセルされる.この前提のもとに, 各在庫点の期首における適正在庫量を決定する.まず, 在庫点別単位期待利益関数を定義する.これは, 各種費用, 単価, バック・オーダー率によって定められる.この在庫点別単位期待利益関数のグラフを用いて, 各在庫点で対応すべき注文量の限界を知る.次に, 倉庫に対するバック・オーダー量の分布を求め, 定式化する.これと注文量分布, 注文量の限界より各在庫点の適性在庫量を求める.この方法は, 営業所で何らかの制約により望ましい在庫量を保有できない場合や, 倉庫に対しても直接注文がなされる場合にも適用できる.
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© 1983 公益社団法人 日本経営工学会
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