抄録
本稿では, 定期発注在庫管理システムのサブ・モデルのうち需要モデルとして移動平均型定常時系列を, 発注モデルとして時系列分析方法による需要モデルのパラメータおよび直交変動成分推定法を前提としながらそれらの推定値を利用して発注量を算定する新たな方法を導入し, 管理上重要とされている需要量分散に対する期末在庫量分散の比を最小にする発注政策を求めている.また, 従来からよく利用されているVassianの発注モデルとの関連にふれ, 本稿で導入した需要量の時系列分析的手法と同等の需要予測方式を前提とすることによって, 両者が一致することを示している.