本研究では, 運動解析のため, ポテンショメータを用いて, 構造が単純で, 低価格で, 精密的にも満足できる3次元動作解析システムを試作し, さらに, 本システムを用いて, 位置決め運動を対象に, Fittsの困難度指標とmovement timeとの関係について若干の検討を行った.本システムは, 2個の回転形ポテンショメータと1個の直線変位形ポテンショメータにより構成され, さらに, 直線変位形ポテンショメータの先端には鉛筆が取り付けられ, この鉛筆先端の3次元座標が求められる構造となっている.本システムを用いて位置決め運動の分析を行った結果, 本実験で対象とした位置決め運動は, MTとIDとの相関係数γ=0.913と有意な相関関係が認められ, Fittsの法則に従っていることが示されたが, エラー率に関しては, MTとは若干異なった変動傾向を示していた.
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