抄録
生産システムなどさまざまな分野において, 競合する複数の目的の同時達成を追及する多目的計画法の開発が重要な課題となっている.本研究では, 食品素材をそれに含まれる栄養素の含有成分比により七つの食品群に分類し, 各種栄養素の摂取量を最適にするための多目的栄養摂取計画モデルを構築した.本モデルを多目的線形計画法によって解き, 非劣解端点集合を求めた.次ぎに, 得られた非劣解に関する情報を意思決定者にわかりやすく示すため, 各非劣解による諸栄養素の摂取状況を図形表現した.ここでは, 各種栄養摂取量の各目標値からの過不足に伴う影響を効果的に表現する図形として人体図形を選び, 人体図形の各図形要素やその色に各目的を対応させた.これを用いて非劣解端点集合のなかから選好解を選択するための対話型多目的意思決定システムを開発した.