抄録
季節変動が激しい需要をもつ製品を生産する場合, 作りだめをすることが必要となる.複数の製品を対象に利益の最大化をはかるには, それぞれの製品の生産・販売量, 生産順序などの問題を同時に検討しなければならない.本研究では, 3種以上の製品の同一納入時点をもつ需要に定時生産のみで応じる問題をとりあげ, 計画期間内の利益を最大にする生産計画の立案方法を提案する.本研究では, 対象とする問題を非線形計画問題に定式化し, 問題の性質を分析・検討する.そして, 目的関数のもつ凸性などの性質を利用した, 柔軟な解法を提案する.この解法は, 軸方向への増加のみを行う反復解法である.本研究では, この解法の収束性に加え, 収束の速さについても若干の考察を加える.