抄録
本論文では, ジョブ・ショップ制御方策, すなわち受注選択と能力切換え(切換えに要する費用と時間はゼロと仮定)の結合方策について解析と考察を行っている.有限または無限の最大受注残数をもつジョブ・ショップでは, ポアソン過程に従って到着した一般分布に従う見積価格をもつ注文は, 受注残数に依存する2選択基準c_1,c_2をもつ受注選択方策によって受注の諾否が決定される.一方, 受注された注文の加工(一般分布に従う)は, FCFS基準で受注残数によって2加工率μ_1,μ_2をもつ能力切換方策によって行われる.上記の両方策を結合した山積型または時点型制御方策を用い, 長期にわたる(平均)正味利得率を最大化する問題をセミ・マルコフ決定過程によって定式化し, 解析している.最後に, 数値例によって山積型と時点型のそれぞれの最適方策について比較検討を行い, その構造を明らかにしている.