抄録
加工に必要な工具を全種類重複させて各マシニング・センターへ配分する全機能型FMSでは, 稼動率は高く, 運用法も容易であるが無駄が多い.前報では, この問題点を解決し, 全機能型FMSに近い稼動率を確保するために, 2機械ジョブショップ型FMSに対する機能分散型の工具配分法を提案した.本報では, 3機械以上のジョブショップ型FMSに適用し得る機能分散型の稼動率最大化のヒューリスティッタな工具配分法を提案し, その有効性をシミュレーション実験により調べた.その結果, 提案法によれば, 全機能型の場合の10〜30%の工具を重複させる機能分散型の工具配分により, 全機能型にほぼ等しい稼動率が得られることがわかった.