本研究は, 消費者の調査データに統計的手法を適用することにより, 定量的な側面から消費財における商品分類の解明を試みたものである.分析の結果, (1)商品分類の基準としては「日常性」が極めて大きな役割を果たし, 「便宜性」及び「利用買物施設(百貨店志向等)」の各因子が有効であること, (2)商品は大きく「日常性商品」と「非日常性商品」の2群に分かれ, さらに前者は「食料品」及び「日用雑貨品」に, 後者は「衣料・流行品」及び「耐久・娯楽品」に, 合計4グループに分けるのが妥当であることなど, 従来の研究には見られない明確な結論を得ることができた.これらの結論は, 従来の商品分類方法との関連では, M.T.コープランドの3分類に近いものであるが, 必ずしも「食料品」及び「非食料品」の2分類を棄却するものではない.同時に, 「食料品」と「日用雑貨品」の間には一定の距離が認められ, 同一の商品群として扱うには若干の問題点が含まれることも明らかになった.
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