抄録
本論文では, 局所容量が無限ではなく有限の中央サーバ型FMSを, 閉待ち行列ネットワーク理論を用いて性能評価し, 最適設計問題を考察している.局所容量が有限である場合については, 若干の研究はあるが, 局所容量の変化に対するシステムのスループットの挙動に注目して性能評価を行った研究はこれまでにみられない.最初に, 局所容量の変化に対するシステムのスループットの挙動を数値計算より考察し, 局所容量の変化に対して無限の場合よりも大きい最大値が存在し得ることを明らかにしている.次に, 設備費用制約のもとでシステムのスループットを最大化する最適設計問題を定式化し, さらに陰的列挙法を用いて解くための最適化アルゴリズムを提案, 大幅な計算時間の短縮化が得られることを示している.