日本経営工学会誌
Online ISSN : 2432-9983
Print ISSN : 0386-4812
口コミの効果に関する研究
飯島 正樹
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1995 年 45 巻 6 号 p. 575-580

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抄録

新商品の開発は主として企業内のマーケティング部門とテクノロジー部門により行われてきた.ここ数年は, ダイレクトマーケティングや顧客満足のように, 顧客の要望を取り入れた商品開発が重視されてきている.顧客の意見には苦情(complaints)と要望(claims)があり, 本研究では苦情を中心とした口コミ情報が販売に及ぼす影響を考察している.商品を効率よく生産し販売するためのロジスティクス等のサービスや企業イメージ等の, 細分化された顧客の要求を満たす商品を販売するための情報メディアとして, 口コミは重要な役割を果たす.本研究で調査対象にした洋服は自動車に比べて, メーカーが新製品の品質向上に努力しているにもかかわらず, アフターサービスが伴っていないことを確認した.口コミ情報は, 商品購入や商品開発にとって重要なので, 顧客の意見を反映させやすいサービスシステムを確立することが肝要である.

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© 1995 公益社団法人 日本経営工学会
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