抄録
本研究では,ICT 活用における教員の指導の在り方に関する実態を明らかにすることを目的に,札幌市の公立小学校の教員を対象にして質問紙調査を実施した.意識と技能に関して,学校間と指導項目間における相関による把握を行った.また,課題として明らかになった点について学校間における情報環境,及び指導項目における関係の比較を行った.その結果,(1) 情報化担当教員のミドルリーダーとしての実態,(2) 教育の情報化の推進における学校間の格差,(3) ICT 活用における児童の指導法に関する内容ごとの傾向,(4) 情報化の基盤となる人的・物的諸条件における特質,(5) 児童の指導法における指導プロセスの重点化の必要性の 5 点が明らかになった.本研究の成果は,教員に対する知識技能の向上の道筋を示し,教育の情報化の推進に向けた校内研修に資するものである.