情報メディア研究
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研究ノート
日本製テレビドラマの海外視聴者獲得に向けた新しい制作方式の研究
ダブル・シュート方式の有用性の検証
市野 直親石井 大貴
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2023 年 22 巻 1 号 p. 14-27

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抄録

日本のテレビドラマ作品は, グローバル市場での資産価値が他国と比して低い. 根源的な理由の一つとして, 画面に登場するのが日本人だけに占められる等の「視聴覚面の特殊性」が挙げられる. この課題を解決するための手法として, 中南米のドラマジャンルであるテレノベラや, ヨーロッパのマカロニウェスタン等で既に用いられたダブル・シュート方式の採用が検討できる. 本研究では, 実際のドラマ撮影現場においてダブル・シュート方式を用い, 複数の言語でビデオクリップを制作した. その後, この方式の有用性を検証するため, 制作したビデオクリップを使って質問紙調査を実施した. 本調査の結果から, ダブル・シュート方式の有用性を見出した一方で,海外視聴者獲得のためには, 出演者の演技や, スタジオセット等の美術的な側面に違和感を持たせないことが重要だということが示唆された.

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