地域生活学研究
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自然エネルギー事業者と周辺住民との紛争を回避するための土地利用制度のあり方
武本 俊彦
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ジャーナル オープンアクセス

2016 年 07 巻 p. 42-50

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抄録
日本の農山村では、メガソーラーバブルが起きている。その主な原因は、固定価格買取制度(FIT)の導入に加え、日本の土地利用制度が、土地所有権の絶対性の観念が優越し、公共の福祉の観点から制定されたルールに基づいて利用させるシステム(欧米の制度のように、地域全体の土地が、「計画なくして開発なし、建築不自由の原則」の下に置かれ、地域の制定したルールに基づく場合に限って開発・建築が認められること)になっていないことによるものである。日本の土地利用制度が、このような欧米の制度とは異なった形で成立したことを歴史的に分析し、パネル設置などの地域における今後の開発行為に伴う紛争を回避するための制度のあり方を提言する。すなわち、必要な法改正への取り組みが基本であるものの、ただちに実現できるかどうかが不確実であることから、当面、分権改革によって与えられた「自治体の法令解釈権」を活用していくことを提言する。
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