日本食生活学会誌
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減塩料理に対するうすくち醤油の効果
坂本 薫橘 ゆかり小泉 弥栄作田 はるみ村田 達雄
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2006 年 17 巻 2 号 p. 159-163

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抄録

  うすくち醤油はだしとの相性がよく, 減塩料理に効果があることを検証していくことを目的とし, 伝統的にうすくち醤油が広く使用されてきた播磨地域在住の大学生を対象に官能検査の手法を用いて実験を行い, 次に示す結果が得られた。
  1. すまし汁の最適塩分濃度の平均値は, 食塩のみで塩味をつけた場合は0.69%±0.30, うすくち醤油では0.57%±0.22とうすくち醤油で調味した方が塩分が有意に低かった (p<0.05)。
  2. 味の識別能力別にすまし汁の塩分濃度を平均すると, 識別能力の高い群では5%の危険率で有意に食塩を用いた場合よりもうすくち醤油を用いて調味した方が塩分が低い結果となったが, 識別能力の低い群では, 食塩とうすくち醤油の間に有意差は認められなかった。豊かな食経験を積んで味覚を育てることが減塩につながると考察された。
  3. こうや豆腐の煮物を調製し, 3点識別嗜好試験を実施して検討した結果, 煮物調理において, だしを生かすことにより減塩調理が可能であることが示唆された。また, さといもの煮物における減塩料理の官能評価により, こいくち醤油を使用した減塩料理よりもうすくち醤油を使用した減塩料理の方が好まれる結果が得られた。
  4. うすくち醤油とこいくち醤油でこうや豆腐の煮物を調製し, SD法により特徴を検討した結果, うすくち醤油を使用した煮物は, こいくち醤油で煮た煮物に比べて色が良く (p<0.001), だしの香りが強く (p<0.05), まろやか (p<0.05) で, おいしい (p<0.05) とされた。また, だしに濃度差のあるすまし汁について順位法により官能評価した結果, うすくち醤油は, こいくち醤油に比べて, 素材の味やだしの旨味などの味を生かす醤油であることが確かめられた。

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© 2006 日本食生活学会
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