抄録
乾燥食品 (野菜類, キノコ類, 果実類) の変遷を特許に基づいて考察した。乾燥野菜類や乾燥キノコ類など, 海外からの輸入が増加しているなか, 加工に関する技術の発展に伴い新素材の開発が進められ, 食生活における日本人の食の文化の維持と発展に寄与している。本論文では次のことを明らかにした。
1) 乾燥食品は粉末が多い。粉末は菓子類, 即席食品やチップス, 健康食品, ダイエット食, 製菓素材, さらにはサバイバルフーズにも利用され, 多方面に適用されている。
2) 乾燥食品の形状と品質は乾燥法とその乾燥経費が関係する。
3) 乾燥食品を粉末にするには噴霧乾燥が, 原型のまま乾燥するには熱風乾燥, 凍結乾燥などが適している。野菜類は凍結乾燥, キノコ類は加熱乾燥, 果実類は熱風・高温加熱が多く使用されている。
4) 乾燥食品の利用法を3つのカテゴリーに分類し, 種々の機能との関係を示した。
5) 乾燥食品の機能を分類し, 素材と機能との関係を示した。