日本食生活学会誌
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論文
ビタミンB-12欠乏により変動するタンパク質の同定及びメチオニン添加によるその改善効果
上川 篤志勝島 啓佑河田 哲典小林 謙一山本 祐司田所 忠弘
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2008 年 19 巻 2 号 p. 142-147

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抄録
  ビタミンB-12 (B-12) は, 水溶性ビタミンの1つであり, 生体内で必須である。しかし, 高齢者の中には潜在的なB-12不足状態に起因する生理障害を呈する場合が報告されている。そこで, B-12不足による生理障害を食生活で改善できるかどうかを検討する目的で, モデル実験動物を用いたプロテオーム解析を行った。その結果, B-12欠乏によって変動する新規因子 (GRP58 Wah, ALDH2) を同定した。また, 両分子の変動パターンが, 肝臓と精巣で異なり, 臓器特異的であることが示唆された。さらに, B-12欠乏による両分子の変動が, メチオニン添加で回復したことから, 食餌性メチオニンによる, B-12欠乏状態の改善が示唆された。
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© 2008 日本食生活学会
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