日本食生活学会誌
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岡山県下の高齢者対象の福祉施設, 保健施設ならびに病院 (有床) で提供する副食の食事形態の名称統一に向けてのアンケート調査
三宅 妙子
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2010 年 21 巻 3 号 p. 243-253

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抄録

  岡山県栄養士会は, 岡山県下の福祉・保健・医療, それぞれの施設から副食の食事形態を共通理解するためのツール作成を求められている。
  そこで, 副食の食事形態の名称統一を目的に, 岡山県栄養士会, 岡山県栄養士会福祉栄養士協議会, 岡山県老人保健施設協会の学術委員会栄養士部会, ならびに岡山県病院栄養士協議会の協力により, 食事形態などに関するアンケート調査を実施し, 副食の食事形態を共通理解するための基準案の提唱を試みた。
  副食の食事形態の名称の総数は, 福祉施設 (112施設) では171, 保健施設 (65施設) では102, 医療施設 (153施設) では327にも及んだ。しかし, 副食の名称統一に向けての基準案 (7名称) : 1普通食, 2一口大, 3きざみ食, 4ソフト食, 5やわらか固形食, 6ペースト食, 7嚥下訓練食にしたがって分類・整理することができた。
  このたび提案した副食の食事形態基準案は, 形状の解釈を標準化することで, 管理栄養士間だけでなく, 多職種との共通認識のためにも活用が期待される。
  管理栄養士が, 栄養管理された, 安全で, 享受できる食事を提供することは, 当然のことである。
  今後は, 喫食者の視覚や味覚を良好に刺激できる外観, 美味しさ, さらに, 咀嚼・嚥下機能の維持に繋がる食事の提供のためにも, 試行を重ねたい。

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© 2010 日本食生活学会
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