日本食生活学会誌
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ラット (ビタミンA欠乏系) に投与したカロテノイド種のRBP (レチノール結合蛋白) 代謝に及ぼす影響
廣田 才之崔 雨林蕪木 佐衣子有信 哲哉井上 弘明関本 邦敏横山 次郎橋本 秀樹
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2001 年 12 巻 2 号 p. 115-126

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抄録

本実験ではカロテノイドのレチノールへの変換について, その受容体としての整合性を保持するとされるRBP生成に焦点を当てて, カロテノイド, レチノイドおよびRBP間の影響を調べた.
RBPの測定結果では, β-カロテン区は40.3μ9/mlを示しており, β-クリプトキサンチン区においても25.1μg/mlを示していることから, レチノールへの変換は十分行われたものと思われる. すなわち, 同時に投与試験したレチニルアセテート区29.1μg/mlと比べ, β-カロテン区ではそれをかなり上回り, β-クリプトキサンチン区ではそれに近い値を示した.
カンタキサンチン区10.8μ9/ml, アスタキサンチン区9.1μ9/mlと低く, ビタミンA欠乏のままとみなさざるを得ない. すなわち, レチニルアセテート区のRBP値に比べかなり低い値を示している. しかし, コントロール区と僅かながら差異が認められるので, 検討の必要性が残る.

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