日本食生活学会誌
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クックチルシステムにおける煮物の再加熱条件の標準化について
殿塚 婦美子三好 恵子谷 武子
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2001 年 12 巻 2 号 p. 127-133

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抄録
煮物料理 (22種) を通常の方法で調理し, チルド保存後各種条件で再加熱して, 官能検査による品質の変化と最適加熱条件を明らかにした. 結果は次の通りである.
1) 再加熱時間はオーブン (100℃, 120℃) に比べ, コンビ (120℃, 140℃) は短く, スチーム100℃はコンビと同様の傾向を示した.
2) 重量変化は再加熱条件のちがいに有意差が認められ, オーブンおよび遠赤外線レンジは減少し, コンビおよびスチームは増加した. 主材料別では野菜類の減少率といも類の増加率が高い傾向を示した.
3) 再加熱時間と官能検査の評価との関係は, 再加熱時間が長くなると外観, 味およびテクスチャーの評価が低くなり, 味が濃くなる傾向が認められた.
4) 重量変化と官能検査の評価との関係は, 重量が増加傾向では外観, 味およびテクスチャーの評価が高くなり, やわらかく, 味が淡くなる傾向が認められた.
5) 煮物は再加熱条件の違いが官能検査の評価に影響したが, 実験に用いたすべての料理がクックチルに適していると評価された. また, 再加熱に適する条件は適用範囲が広いが, 官能検査の総合評価から判断して最適条件の選択が必要と考えられる.
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