日本食生活学会誌
Online ISSN : 1881-2368
Print ISSN : 1346-9770
ISSN-L : 1346-9770
新規栽培キノコ類の食品栄養学的研究
事例的研究II
菅原 龍幸根岸 由紀子佐々木 弘子奥崎 政美
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 12 巻 2 号 p. 191-195

詳細
抄録

エリンギPleurotus eringii, ウスヒラタケpleurotus pulmomrius, アワビタケPleurotus cystidiosus, ヌメリスギタケPholiota adiposa, ササクレヒトヨタケCoPorinus comatusおよびヤナギマツタケAgrocybe cylindraoeaの6種類の市販栽培キノコ類について一般成分, 食物繊維, ミネラル, 糖・糖アルコール, 有機酸および遊離アミノ酸の分析を行った. またトキイロヒラタケPleurotus salmoneostramineusついては糖・糖アルコールおよび有機酸の分析を行った. その結果, エリンギはたんぱく質, カリウムおよび遊離アミノ酸量が少なく, 糖・糖アルコール(特にトレハロース) 量が多かった. ウスヒラタケはたんぱく質, 亜鉛, 有機酸および遊離アミノ酸量が多く, ナトリウムおよび糖・糖アルコール量が少なかった. アワビタケは今回分析したキノコ類の中ではたんぱく質および遊離アミノ酸が比較的少なく, カリウム, カルシウム, 亜鉛および食物繊維量が多かった. ササクレヒトヨタケはたんぱく質, ナトリウム, 糖・糖アルコール (特にトレハロース), 有機酸および遊離アミノ酸量が比較的多く, 食物繊維量は少なかった. ヤナギマッタケとヌメリスギタケは一般成分, 糖. 糖アルコール, 有機酸および遊離アミノ酸量は今回分析した他のキノコ類の中間的な値を示していたが, カリウムおよび食物繊維量はやや多かった. トキイロヒラタケはたんぱく質, リン, 亜鉛および遊離アミノ酸量は多かったが糖・糖アルコールおよび有機酸量は少なかった.

著者関連情報
© 日本食生活学会
前の記事
feedback
Top