抄録
エリンギPleurotus eringii, ウスヒラタケpleurotus pulmomrius, アワビタケPleurotus cystidiosus, ヌメリスギタケPholiota adiposa, ササクレヒトヨタケCoPorinus comatusおよびヤナギマツタケAgrocybe cylindraoeaの6種類の市販栽培キノコ類について一般成分, 食物繊維, ミネラル, 糖・糖アルコール, 有機酸および遊離アミノ酸の分析を行った. またトキイロヒラタケPleurotus salmoneostramineusついては糖・糖アルコールおよび有機酸の分析を行った. その結果, エリンギはたんぱく質, カリウムおよび遊離アミノ酸量が少なく, 糖・糖アルコール(特にトレハロース) 量が多かった. ウスヒラタケはたんぱく質, 亜鉛, 有機酸および遊離アミノ酸量が多く, ナトリウムおよび糖・糖アルコール量が少なかった. アワビタケは今回分析したキノコ類の中ではたんぱく質および遊離アミノ酸が比較的少なく, カリウム, カルシウム, 亜鉛および食物繊維量が多かった. ササクレヒトヨタケはたんぱく質, ナトリウム, 糖・糖アルコール (特にトレハロース), 有機酸および遊離アミノ酸量が比較的多く, 食物繊維量は少なかった. ヤナギマッタケとヌメリスギタケは一般成分, 糖. 糖アルコール, 有機酸および遊離アミノ酸量は今回分析した他のキノコ類の中間的な値を示していたが, カリウムおよび食物繊維量はやや多かった. トキイロヒラタケはたんぱく質, リン, 亜鉛および遊離アミノ酸量は多かったが糖・糖アルコールおよび有機酸量は少なかった.