日本食生活学会誌
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女子短大生の食行動に関する研究
食生活の実態と態度
大家 千恵子山田 正子竹内 枝穂津田 淑江
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2001 年 12 巻 3 号 p. 222-232

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抄録

女子短大生の日常の食事調査と食生活に対する意識調査を行った.その結果次のことが明かとなった.
1. 女子短大生はエネルギー, たんぱく質, 脂質, カルシウム, 鉄, 食物繊維の充足率がいずれも低く, 特に食物繊維56%, 鉄63%, カルシウム69%と摂取が低かった.
2. 料理の組み合わせ調査の因子分析の結果より第6因子まで抽出できた.第1因子は和風の料理と乳製品, 糖質, 脂質の多い嗜好品, 第2因子は洋風の食品, 第3因子は野菜サラダ, 第4因子は貝類(うに, かき), 第5因子は貝類(あさり, しじみ), 第6因子はレバーが抽出できた.因子得点より和風主菜のグループは和風料理との組み合わせが多いが, 惣菜パングループは乳製品, 糖質, 脂質の多い嗜好品との組み合わせが多かった.また洋風主菜では洋風の食品の組み合わせが多いが, うどん, 蕎麦, ラーメンなどの一品料理では和風, 洋風のいずれの食品も食べられていなかった.あさり, しじみはスパゲッティやピザ, ドリアなどのメニューに多く用いられていた.レバーは主に焼肉として食べられていた.
3. ボディーイメージと食生活の調査から「やせ」グループは欧米型の食生活パターンが多くみられ, 野菜が苦手でビタミン剤を利用し, かつ少食の傾向であった.それに対し「過体重」グループは野菜は食べ, ビタミン剤はあまり利用せず, 量を多く摂る傾向が見られた.ダイエットのための食事制限は「やせ」グループが3.6%に対し「過体重」グループでは19.0%と多くみられた.
4.「過体重」グループは100%自分を太っていると思っているだけでなく, 「普通」グループ87.5%, 「やせ」グループでも84.7%と太っていると思っていた.

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