日本食生活学会誌
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給食管理実習における献立作成の実態調査と教育
木村 友子阿知和 弓子亀田 清菅原 龍幸
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2001 年 12 巻 3 号 p. 233-241

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抄録

栄養士を目指す女子大学生に合理的な献立作成と大量調理の技能を付与する目的で, 1年次 (1998年, 110名) にコンピュータによる予定献立作成と家庭での実践およびその献立について自己・他者評価を課した. その効果を知るために, 2年に進級した同学生に献立作成に関する意識調査と給食管理実習への利活用・対応状況を調査した.
1. 予定献立では1年次はエネルギー, 炭水化物, カルシウム, 鉄, 食物繊維が喫食者の食物摂取基準量を下回ったが, 2年次では炭水化物以外はすべて上回った. 脂肪エネルギー比は1年次30. 3%と高かったが, 2年次では24.8%に有意に低下した (p<0.01). しかも, 各成分値の変動係数は小さく, 料理数も増した.
2. 予定献立の「自己・他者評価」では, 1年次でC評価は16.4%あったが, 2年次では5.5%に減少し, その多くがB評価に移行した. これは評価法を適用した繰り返し学習が有効であり, 学生の学習意欲および関心が高まり意識改革が出来たためと思われた.
3. 実施献立の調理様式 (和食・中華食・洋食) 別では, 2年次は料理の組み合わせが広がり, 食品の品目数・給与量も増加傾向を示し献立内容の改善が認められた.
4. 献立の情報は教科書38.4%, 雑誌・新聞21.9%, 家庭19.8%, インターネット18.7%の順で, 授業時間内に作成できたA群に対し苦手のB群は時間を要したが, 献立内容には両群間の差はなかった.

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