日本食生活学会誌
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ダッタンそば粉およびコーン油の添加が蒸しパンの性状と食味に及ぼす影響
中里 トシ子松本 憲一川瀬 真貴子尾田 文芽
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2003 年 13 巻 4 号 p. 279-285

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抄録
ダッタンそば粉を小麦粉の代替で20, 30%添加した蒸しパン生地に, それぞれコーン油を粉 (小麦粉+ダッタンそば粉) に対し, 20, 30, 40%添加した9種類の蒸しパンの性状と食味に及ぼす影響について検討し, 次のような結果を得た.
(1) 比容積は, ダッタンそば粉添加量が増加するに従って値が高く, 油量添加量が増加するに従って低い値を示した.
(2) 水分量は, ダッタンそば粉添加量の違いによる有意差は認められないが, 油量の添加量が増加するに従って減少した.
(3) 硬さ応力はダッタンそば粉添加量の違いによる有意差は認められないが, 油量添加量が増加するに従って値が低く軟らかくなった.
(4) 凝集性はダッタンそば粉添加量の増加に従って値が低く, ダッタンそば粉無添加蒸しパンの値が最も高く, 回復力が強かった.
(5) 色はダッタンそば粉添加量の増加に伴い, L*値が低くなり, a*値とb*値は高くなった.彩度は, ダッタン添加量が増加するにつれ値は高くなった.(6) ルチン量はダッタンそば粉の添加量とともに増加がみられた.
(7) 官能検査の結果, 油量を20, 30, 40%と一定にした場合には, ダッタンそば粉添加量の違いによる有意差は認められないが, ダッタンそば粉を20%とした場合は油40%添加の蒸しパンが総合評価で最も高く, 油20%添加蒸しパンは最も低い値を示した.
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